暮らしサポート

親が高齢者へ仲間入りすると、寄り添いが必要な場面や、気遣いを求められる出来事に、よく出くわすようになります。

そして、寄り添う時間を重ねるうちに、優しさやいたわる気持ちが、「親孝行」へと変化して、深い愛情へとなるわけです。

これから高齢者を支える環境下にある方は、たくさんの心配ごとや悩みごとが、雨あられのように降ってくるでしょう。

でも心配しなくて大丈夫です!

なぜなら、わたしが過去に経験したことや、体感して感じたことをもとに、対策などをわかりやすく解説するからです。

高齢の親が「離れて暮らしている」と、健康管理のことや、生活に困っていないかなど、子供からしたら心配ごとが尽きません。

そこで今回は、離れて生活している高齢の親を抱えた40~60代の子供たちが寄り添える支援について「親孝行」もまじえて解説していきたいと思います。

こちらの記事では…
体力や足腰に多少の不安はあるが、介護なしで日常生活を過ごせる方や、まだ現役で働いている方を「高齢者」(60歳以上~65歳)としています。
※「前期高齢者」65歳~75歳・「後期高齢者」75歳以上~

離れて暮らす親の健康と体調管理が心配

親が病気やケガをしていないか

自分の親が高齢になってくると、健康状態や体調管理の状況などが気になり、心配ごとや支援の面での悩みが増えてくるのではないでしょうか。

とくに高齢の「親と離れて生活」している方は、医療診断の情報体調面の把握難しい傾向にあるので、体調管理の面は心配ごとであり不安材料の一つになると思います。

また高齢になると、本人が病気を患ったりケガをしても、自分で対処することが難しい可能性が高いので、定期的に健康診断を受けるなど、病気やケガの予防促すことが大切です。

もしもの緊急時に備えて、救急車を手配する連絡方法(110番通報)や、病院へのアクセス方法などを、親子間で日々情報共有しておくことも、寄り添いの一つとなります。

定期健康診断を受診させることで、病気の早期治療や予防につながる!

親が薬を忘れずに飲めているか

高齢になると複数の疾患を治療していることが多く、薬の種類や量が増加するため、薬の仕分けや管理が大変になってきます。

認知症の症状がなくても、薬の飲み忘れや飲み間違えがあるので、家族の付き添いが難しい一人暮らしのご高齢の方は、特に注意が必要です。

飲み忘れや間違えの対策としてやるべきことは、お薬の服用日時が確認できる「くすり専用カレンダー」を活用すると、勘違いして同じ薬を重複して飲んだり、見た目が似ている薬の飲み間違いを予防できます。

また半透明に仕切られた「くすり専用ケース」を利用して、曜日・週ごとに事前に整理しておけば、一度に服用するべき薬が一目でわかるので、薬ケースの使用はオススメです。

ご近所の人や地域の親しい方に協力してもらえそうであれば、

「お薬飲みましたか?」「お薬を飲み忘れておませんか?など…

積極的に声がけしてもらように、お願いするのも大切なことです!

薬の服用時間診察予約日時などを「専用カレンダー」に記入する!
曜日・週ごとに仕分けして「くすり専用ケース」で管理する!

親が栄養不足になっていないか

高齢になると、歯と噛む力が弱くなることで、規則正しく食事を摂ることが面倒となり、食事を欠食することが増えると言われています。

また買い物や料理が面倒になり、食事への関心が薄れて、食生活が単調になりやすくなるのも欠食の原因の一つです。

食事の欠食回数が増えてくると、栄養不足になるだけでなく、体調を崩しやすくなったり、認知症のリスクが高まったりするなど、悪影響を及ぼしかねないの怖さがあります。

規則正しい食事は、生活リズムを整え、食欲や心の健康を整えることにもつながりますので、毎日欠かさず少量でもいいので、適切な栄養を摂取できる環境を整えてあげることが、寄り添いとなるのではないでしょうか。

宅食サービス栄養補助食品を利用して、栄養のサポート管理をする!

親が犯罪の被害者になっていないか

高齢者だけで生活している世帯は、一般のファミリー世帯に比べて、犯罪被害のリスクが高い傾向にあります。

ここ最近は、高齢者を狙った詐欺や窃盗事件が多発していますので、犯罪被害に巻き込まれない対策が急務です。

対策として、過去に発生した犯罪の事例を、親子で共有することと、防犯カメラの設置・玄関口を含めたガラス窓の施錠補強など、高齢者が犯罪被害に巻き込まれない環境を整えてあげましょう。

また緊急時に速やかに対応できるように、緊急連絡先を整理しておくことも重要です。

支援する側が、定期的な連絡や訪問を通じて、親の安否や悩み事を共有し合うことで、サポートできることが見えてきます。

絶対に定期的な親とのコミュニケーションを欠かしてはいけません!

こまめな連絡定期訪問の頻度をあげれるように努力する!
孤独孤立感をなくすための、環境整備を行動に移す!

離れて暮らす親の日常生活の管理面が心配

親と離れて生活されているかたは、親の日常生活が心配な人も少なくありません。

高齢者の場合、本人やご家族も気づかないところで、様々な事故や問題が発生して、生活に支障が出るリスクがあります。

高齢者が注意すべき管理

例えば、高齢者が「一人暮らし」をするうえで、注意しなければならない、管理面の項目をざっくり挙げてみると、

  • 火の元の管理…(コンロ、暖房器具、仏壇のローソク線香など)
  • 食事の管理…(食べない、栄養不足、偏った食生活など)
  • 薬の管理…(服用忘れ持病悪化、過剰摂取副作用など)
  • 防犯管理…(空巣、訪問販売、電話セールス、詐欺被害など)
  • 約束の管理…(町内の当番、回覧板、ゴミの収集日、分別など)

他にも管理すべき項目はたくさんあると思われますが、いまパッと思いついただけでも、
注意すべき管理項目はこれほどあります。

地域社会のルールと約束を守る管理

  • 町内会などの当番管理…(町内の当番、回覧板、町内会費など)
    地域社会のルール・約束管理…(ゴミの収集日、ゴミの分別など)

それ以外にも、炊事・洗濯・掃除・買い物などの家事全般を、本人がやることになるので、高齢者だけで営む暮らしは想像以上に大変です。

歳をとっても心身ともに健康であれば、一人暮らしをしていても何も問題はありませんが、高齢の親が一人暮らしを続けていくということは、体力的・精神的に大きな負担になっていることは、離れて暮らす家族が細かい部分まで確認及び理解しておく必要があります。

本人に該当する管理項目を洗い出し、家族で注意喚起を促してあげる
炊事・洗濯・掃除・買い物など、協力する姿勢を見せれば喜ばれます!

親が孤独や寂しさを感じていないか心配

高齢の親が、孤独や寂しさを感じているのではないかと、心配される方はとても多いです。

とくに一人暮らしの高齢者は、人と交流する機会が少ない環境下にあるため、孤独感や寂しさを感じやすいと言われています。

身体機能の衰えによる不安

高齢者が孤独感や寂しさを感じる理由の多くは…

今まで簡単に出来たことが、身体機能の衰えにより、徐々にこなすことが難しくなると、不安になり寂しさを強く感じるようになります。

身体機能の衰えを理解し、寂しさに配慮した優しい対応をとることが大切!

健康状態と将来の不安

高齢になれば、ほとんどの方が病気を経験し医療機関にお世話になります。

年齢を重ねれば身体機能が衰えていき、病気を発症する可能性が高くなることは自然の摂理ですが、いざ病気にかかり自由が利かなくなると、将来についての不安が押し寄せて孤独感や寂しさとしてあらわれてきます。

健康状態と将来の不安を高齢者と同じ目線で共有し、寂しさを軽減させる!

世間と人との触れ合いが少なくなる不安

会社を定年退職すると、仕事上の人間関係が完全に無くなり、世間と人と接する時間が極端に少なくなります。

また高齢になると、仲の良い友人同士の集まりであっても、外出する行為自体が面倒になり、少しずつ人との関りも減っていくため、人との触れ合いがない孤独感から寂しいと感じるようになります。

高齢者から学べることは多い!プラスに捉えて触れ合う時間を多くつくる

 高齢の親が安心できる環境と暮らし

安全な住環境を整える

高齢者が日常生活を快適に過ごすために、まず安全な住居環境を整えることが大切です。

この住居環境の安全対策を怠ると、転倒による重大事故を引き起こす可能性が高まり、骨折や頭部打撲などの大きなケガに発展しかねません。

加齢による影響とは、まず身体全体の筋力が低下して、足腰のバランス感覚が鈍くなり、ちょったした障害物や段差でつまずく「転倒事故」を起こしやすくなります。

また、それと同時に視力の低下とともに、視野や視界が狭くなり、足元の障害物に足を引っかけて転倒するケースも多いです。

転倒した65歳以上の人のおよそ半数が、入院もしくは通院が必要な重篤な状態となっていることから、高齢者の転倒事故を防ぐ対策が、いかに大切か理解していただけると思います。

高齢者が最も多く転倒事故を起こす場所の約半数が、自宅屋内または自宅敷地内です。

では、自宅の屋内・屋外のどのような場所で転倒事故が起きているのか…

  • 自宅屋内…(寝室の布団、浴室、脱衣室、トイレ、階段など)
  • 自宅屋外…(庭、駐車場、玄関、勝手口や出入口など)

※転倒事故の発生が多いのは、自宅内外の浴室脱衣、室庭駐車場と言われています!

自宅の屋内外での具体的な対策場所と対策して、

浴室、脱衣室

  • 浴室の床や浴槽の底には「滑り止めマット」や「シート」を敷く!
  • 浴室、脱衣室の壁ぎわに、掴かまる「手すり」を設置する!

トイレ

  • スリッパサンダルなどは、滑りにくく脱げにくいものを使用する!
  • 便器の横の壁に「手すり」(折りたたみ式など)を設置する!

玄関、土間、勝手口

  • 段差がある場所に、身体を支えてくれる「手すり」を設置!
  • 出入り口の段差を少なくするために「踏み台ステップ」を設置!

庭、駐車場

  • 」(ステッキ)の利用で、膝や腰への負担が軽減されます!
  • 安定した場所への移動は「シルバーカー」(押し車)を利用する!

寝室、ベット、ふとん

  • ふとんで寝起きする場合は「ふとん専用補助手すり」を使用する!
  • ベッドで寝起きする場合は「サイドレール手すり」を設置する!

階段

  • 「手すり」のステップ先端滑り止めシート足元用のランプ設置!
  • 蛍光、蓄光タイプの「滑り止め階段マット」を各階段に敷く

バリアフリーの対策をすすめる

高齢者が自分で必要なものを考え揃えるのは、なかなかむずかしいものです。

日ごろから、どこに転倒要因が潜んでい不安を感じる場所なのか、どのような対策を施す必要があるかなど、高齢者と直接相互にて確認しながら、バリアフリー化をすすめてみるとよいと思います。

ちょっとした「手すり」や「踏み台ステップ」「滑り止めマット」などは、ホームセンターやネット通販で手軽に購入できるので、おススメです。

リフォーム業者に相談したり、必要なものを購入するといった手順でバリアフリー化を進めてみてはいかがでしょうか。

高齢者と危険個所相互確認しながら、バリアフリー化をすすめる

高齢の親の安全と健康を考える

見守りのサービス

高齢の親の生活がが心配ではあるものの、仕事や家庭の関係で同居しながらの介護は難しいという人もいると思います。

見守りサービス」とは、離れて暮らす親の状態を定期的に確認してくれて、状況に応じてすぐさまスタッフが駆けつけ対応してくれるありがたいサービスです。

「見守りサービス」は、「訪問型」が主流となっていますが、「センサー型」「カメラ型」など、さまざまな種類が存在しますので、個々のライフスタイルに合わせて選択すると良いと思います。

24時間の監視をはじめ、安否確認や緊急時の対応、安全確保や駆けつけなど、高齢者の状況に応じたサービスを受けられるのも大きな特徴です。

家事代行サービス

高齢になると、毎日の家事(炊事、掃除、洗濯、買い物など)は、大きな負担となるものです。

・食品や日用品の買い物をお願いしたい…

病院に行きたいけど付き添いが必要…

・ちょっとした家具の移動をお願いしたい…

部屋の片づけ庭の手入れがしたい…

など、
人の手を借りないと解決できない問題に直面した時に、いろいろな生活面でのサポートをしてくれるサービスが「家事代行サービス」です。

近年は高齢者向けの家事代行サービスも充実しており、布団干し電球の交換高い場所の清掃、郵便物の受け取りなどさまざまなことを行ってくれます。

ただ、家事代行スタッフができるのは主に家事のお手伝いといった「生活援助」に限られているので、医療行為全般、リハビリ、マッサージ、食事の介助、入浴サポートなどは、医師や専門的な資格を保有している人にしか行なえませんので、事前に確認する必要があります。

「家事代行サービス」は、快適で安心かつ健康的な生活を過ごすために、上手に活用できれば、大きな強みになるのではないでしょうか。

健康的に安心して

※高齢者向けの「家事代行サービス」は介護保険は適用外となります。

参考:介護保険制度について(高齢労働省)

お食事サービス

私たち子供ができる親孝行

こまめに電話やメールで連絡する

親は我が子がのいくつになろうが、いつも気にかけているものです。

ちょっとした空き時間に電話やSNSメールを使って、自分の家庭や仕事などの近況報告をするだけでも、親を安心させることができます。

近年は遠く離れていても、お互いの元気な姿をSNS動画で確認することも可能です。

親孝行は、大変そうなイメージを持たれている人も多いですが、ちょっとした気遣いや思いやりから生まれる親孝行もあるので、まずはできることから一歩ずつ始めてみましょう。

定期訪問して元気な姿を見せる

親と離れて暮らしている人は、定期的に元気な姿を実家へ見せに行くだけでも、親を笑顔にさせる立派な親孝行です。

とくに、お盆や年末年始しか帰省していない人は、できるだけ自分の予定を調整して、実家への訪問回数を増やす心掛けをすることで、親が抱える不安や孤独感を和らげることができるのではないでしょうか。

実家に帰ったときは、家族の近況報告や思い出話などの会話は、親の心の癒しになるのでコミュニケーションは積極的にとりましょう。

家族との会話から、喜びと笑顔が生まれ、親の生きる活力になることは間違いないです。

手紙や贈り物で感謝を伝える

親への感謝の気持ちや近況報告を綴った手紙を、定期的に渡すのも喜ばれます。

近年は、メールやLINEが普及しているため、手紙を書く機会が減りましたが、手書きの手紙は気持ちが伝わりやすいため、子どもからもらうと嬉しいものです。

手紙は照れくさいと感じる人は、親が喜びそうな贈り物を考えて、簡単なメッセージを添えて贈るのも良いと思います。

「いつまでもお元気でいてね!」「感謝してます!」といった、簡単な一言だけでも、充分に気持ちは伝わりますから、ぜひチャレンジしてください。

親子で写真撮影する

高齢の親と家族で一緒に写真を撮るのもおすすめです。

なぜなら親元を離れると、一緒に写真を撮る機会が減るので、思い出づくりの一つとして、親子で写真撮影することをおすすめします。

最近は、スマートフォンで手軽に写真を撮れるので、親と会ったら一緒に写真を撮りましょう。

節目ごとに、撮影した写真を記念アルバムとして贈ったら喜ばれること間違いないですね!

宅配弁当で食事の支援をする

あなたが親のために「宅配弁当」を支援することで、今まで気にしていた栄養管理面の心配が無くなるだけでなく、経済的な支援という親孝行を実現させることができます。

食の支援をすることで食事を抜く欠食や、極端に食費を削ったり、おかずの量や品数を減らしてたりするなどの不安を払拭することもできます。

離れて暮らしている高齢の親に、宅配弁当にてお食事を届けることで、あなた自身が「親孝行できている!」と充実感を得ることができることでしょう!

そして年金を切り詰めながら生活をされている高齢の親にとって、これほどありがたく感謝されることはないと思います。

まとめ

親が離れて暮らしていると、子供からしたら悩みや心配ごとは尽きないと思いますが、例え遠距離で生活する環境下でも、親に寄り添って支援できる方法はたくさんあります。

まずは、親の暮らしで起きている悩みや不安材料をくみ取り、わたしたち子どもが一つずつ問題を解決していくことが、お互いにとっての幸せの近道となります。

親孝行はお金をかけて特別なことをしなくても問題ありません。

日常のちょっとした配慮から始まるのが「親孝行」だと思います。

子どもが親にいつまでも元気でいてほしいと願うように、親は子どもの幸せが何より嬉しいものです。

元気な姿を見せたり、一緒に食事をしたりなど、無理なくできる親孝行で感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。

私たちと、高齢の親が安心した生活を送るためにも、ぜひこの記事で紹介したアイデアを試してみて頂けたら幸いです。